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リサイクルボトル

PETボトルの水平リサイクル中

における劣化に関する検討

PETボトルの水平リサイクル中における劣化に関する検討

 ポリエチレンテレフタレートボトル(PETボトル)はグレードの高い樹脂から生産されるライフサイクルの短い製品であり,その回収率は90%程度まで上昇していることから,水平リサイクルに好適な製品です。しかしながら,水平リサイクル率は10%程度にとどまっています。水平リサイクル率が向上しない原因の一つに,色調の低下(黄変)や引張強度の低下といった再生製品の物性の劣化が挙げられます。これら物性の劣化に関してはこれまでに多くの研究がなされており,主にペレタイズや加熱成型などの加熱工程における熱酸化分解が原因とされています。そのため,実プロセスでは低酸素雰囲気下での操業が行われています。しかし,PETの熱酸化分解はFig.1のような自動酸化反応により連鎖的に進行していくため、微量な酸素の混入であっても劣化が進行していきます。

pet1.jpg

 近年では,減圧と加熱によってPETを固体状態で重合する固相重合工程を導入することで,劣化した引張強度を回復させる処理を行っています。当研究室では,固相重合を含めた再生プロセスを複数回サイクルさせ,水平リサイクル時の挙動を再現することで,各工程が劣化に与える影響の把握を行っています。また,水平リサイクル中で自動酸化反応を抑制できるアプローチについての検討も行っています。

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